日本デザイン協会 JAPAN DESIGN ASSOCIATION

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■なぎ邸とは
古くから多くの文人に愛されてきた町、小田原市の城から海岸に向かい、潮の音も聞こえる一角に昭和初期に建てられたごく普通の木造平屋建て一軒家がある。
おそらく、庶民の典型的住居であり、市内の中・高校の先生たちが住んでいたりした。このような住宅は、近年はどんどん壊されている。しかし、略式の床の間といい、高い天井といい、なかなか良い。
「なぎ邸」の由来はこの家の敷地に数本「なぎ」と称するめずらしい樹木があることから。「なぎ」は小田原辺りが生育北限とのことである。

■活動の概要
―「なぎ邸」を生活文化の発信基地にするための
                  足場固め−
小田原市が持つ複雑で、ある種あいまいな地域特性(城下町でありながら城下町らしく発展してこなかったこと、箱根・伊豆への通過点としての認識を越えられないこと、箱根細工などの郷土資産を持ちながら、活かしきれていないこと、新幹線で丸の内まで40分かからない地形から東京のベッドタウン化していること、など)をどうやって新しい街・小田原にしてゆくかを、「なぎ邸」を拠点として当協会が長いスパンで考え、足がかりを提供しようとするものである。

■活動の結果と今後の展望
小田原市は、海あり、山ありで自然に恵まれ、交通の要衝である。しかし、あまりにもいろいろの好条件に恵まれすぎ、明確な発展のイメージがもてないでいる。また、昭和に至るまでの避寒地的要素からの史跡が点在しているが、あまり知られておらず残念である。
この「ノンポリ・ノンカルチャー」的要素がむしろ、これからの小田原を「新しいかたちの城下町」にしてゆく要素であると判断して、ここから今後を展望することとした。
「なぎ邸」のような昭和の家の保存と活用を引き続き考えてゆく。小田原市と協力して旧家利用の定住方式を検討していく。学生や市民の参加を考えていく。
・「なぎ邸」を含め、周辺の回避ルート、サイクリングロードなどを開拓する。
・小田原漁港を単なる漁港に終わらせず、美しく明るく楽しい観光施設にしていきたい。
なお、この事業は委託事業として単年度のものであるが、当協会としては今後とも「なぎ邸」を軸に引き続き継続活動をしていく。


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